講師インタビュー

土地が秘める多くの「物語」を感じられる場所で

一般教養レジェンド講師 副知事なども歴任した琉球史のスペシャリスト高良倉吉/ 歴史学者

琉球の歴史を専門とし、沖縄史料編集所専門員、浦添市立図書館長、琉球大学法文学部教授などを歴任。首里城復元の委員、NHK大河ドラマ『琉球の風』の監修などを担当し、2013年からは仲井眞弘多県政で副知事も務めた。琉球大学名誉教授。

沖縄は時代の変化を歌や踊りで表現する。

 なぜ沖縄は音楽や芸能が盛んなのか、知っていますか? それは、島や地域に根ざした文化を、時代の変化とともに歌や踊りにして残してきたからです。それはクリエイティブの原点のひとつであり、だからこの地に学校ができるということは、とても意味のあることだと思います。
 この地でどんな歌が歌われ、そのパフォーマンスにはどういう意味があるのか。僕の授業では、沖縄の歴史を踏まえながら、そうしたことを伝えていければと思っています。

「謙虚な気持ちで自分を制御し、問題をひとつずつ解決しながら一緒に成長しましょう」

様々な個性が集まったアジアへの最前線

 沖縄には広大な範囲に無数の島があり、それぞれに個性が違います。僕はすべての島に行きましたが、「違う国に来たのでは?」と思うような衝撃もありました。そして那覇には、それら沖縄のさまざまな歴史が集約され、ミステリアスな要素がたくさん残っている。土地に秘められた多くの「物語」を感じられる場所が学びの拠点になることは、クリエイターにとっては非常に刺激的だと思います。
 昔の沖縄は、日本の南端であり、辺境の地でした。でも経済的にも文化的にもアジアが注目されている現在、沖縄は地理的なメリットがとても大きくなりました。海外に行くときは成田よりも台北で乗り継ぐほうが便利なくらいですから。つまり沖縄は、日本におけるアジアへの最前線となったんです。

自分以外に興味を持ち、世界を広げること

 内にこもるのではなく、自分以外の人に関心を持つこと。自分はいつもどこか足りないという気持ちで学べるかどうかが、これからの時代は特に大事になると思います。人間は若者から高齢の方々まで、一人ひとりがたくさんの物語を持っています。それに気づいて、どんどん取り込んでいけば、自分の世界も広がるし、表現したものが説得力を持つようになる。
 生徒のみなさんには、この沖縄の地で、足りない自分をしなやかに補おうとする気持ちを持ってほしい。そんな学びの場、出会いの場に、この学校がなればうれしいです。

首里城復元

1980年代半ばから始まった首里城の復元では、琉球王国に対する豊富な知識をもとに時代考証を担当。膨大な資料を集め、戦争で焼失したシンボル復興の立役者となった。「人生のエネルギーの半分は費やした」という復元は現在大詰めの段階で、2018年秋に完了する見通し。
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